ルミノールとルシゲニンの化学発光の機構と反応条件

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タイトル別名
  • ルミノール ト ルシゲニン ノ カガク ハッコウ ノ キコウ ト ハンノウ ジョウケン
  • Ruminoru to rushigenin no kagaku hakko no kiko to hanno joken
  • Mechanism and condition of the chemiluminescence of Luminol and Lucigenin

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抄録

type:text

慶應義塾大学日吉キャンパスにおける文系学生を対象とした化学実験のテーマの1 つに、ルミノールとルシゲニンの化学発光に関する実験がある。しかし、反応条件(溶媒、pH の範囲、酸化補助材など)について不明な点があった。そこで文献検索を行って反応機構の要点をまとめ、実験操作を見直すことにした。ルミノールの発光については、溶媒がDMSO(ジメチルスルホキシド)のときには酸化補助剤が不要であるが、水溶液のときには必要である。これは、アルカリ条件下でDMSO 中ではルミノールがジアニオンになり、溶存酸素によって自動的に酸化されるが、水溶液中ではモノアニオンの形でとどまるため、酸化補助を入れてラジカルを発生させないと、反応が先に進まないからである。酸化補助剤がヘモグロビンとK3[Fe(CN)6]のときとで、ラジカルの発生機構が異なる。ルシゲニンの反応については、pH が高すぎると(pH >13)酸素による急激な分解反応が起こってしまう。追加実験を行って調べた結果、ルシゲニンの化学発光を肉眼で観察するための最適のpH は11 程度であり、適正なpHの範囲が比較的せまいことがわかった。

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