ユニバーサルサービス確保と競争政策のあり方

書誌事項

タイトル別名
  • ユニバーサル サービス カクホ ト キョウソウ セイサク ノ アリカタ
  • Yunibasaru sabisu kakuho to kyoso seisaku no arikata
  • Competition policy and universal service

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抄録

type:text

ユニバーサルサービスの維持とその確保策は, 規制緩和された電気通信, 運輸部門, 郵政事業等での重要な問題である。日本の電気通信では2006年から, ユニバーサルサービス料として1番号当たり8.4円利用者から徴収することにより, ユニバーサルサービスが確保されるスキームが導入された。しかし, ユニバーサルサービスの定義, 内容は時代とともに変化し, その結果, 「誰が」「何を」「どうやって」という問題の複雑性が増す場合がある。電気通信分野でも移動体通信をユニバーサルサービスに含めるのか, IP 電話もそうなのか, ユニバーサルサービスを負担する事業者の範囲等の議論が必要になる。一方, 郵政事業では郵政改革法案が国会で可決された場合, 郵便, 郵便局だけでなく, 金融もユニバーサルサービスとなる。国が国民に対して負っているユニバーサルサービス提供義務を日本郵政に課すことにより, 義務履行コストに見合う所要の処置を日本郵政に講じるとなっているものの, 所要の措置については未解決のままである。さらに郵便事業のユニバーサルサービス維持のための確保策は独占の留保(リザーブドエリア), 補助金, 入札, ユニバーサルサービス基金, 税の免除等が考えられるが, 現在に至るまで結論が得られていない。

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