就業規則不利益変更の合理性判断とその考慮要素の関連性について

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タイトル別名
  • Reasonableness Determinations and its Standards of Disadvantageous Changes in Work Rules
  • シュウギョウ キソク フリエキ ヘンコウ ノ ゴウリセイ ハンダン ト ソノ コウリョ ヨウソ ノ カンレンセイ ニ ツイテ

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抄録

企業の経営不良回避、あるいは経営強化をはかるためには多様な手段があるが、従業員に対する労働 条件の変更もその1つであり、具体的には労働協約及び、就業規則による不利益変更等があげられる。 不利益変更の具体例としては、1)賃金支給率の低下をもたらす計算方法の変更、2)退職金の減額、3) 定年制の新設、あるいは定年年齢の引下げ、4)勤務時間の延長その他、がある。就業規則不利益変更 については、それが合理的な内容のものである場合においてのみ、効力が生じるとされ、その考慮要素 は、1.就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度、2.使用者側の変更の必要性、3.変更後の就 業規則の内容自体の相当性、4.代償措置、5.労働組合との交渉の経緯、6.他の労働組合又は従業員の対 応、7.同種事項に関する我が国社会における一般的状況、である。この論文は過去の労働判例データ (127件)から2×2の分割表を経由して、以下の点に数量的に光をあてる。つまり、 1.多数派労働組合が変更に同意をしていると、それは合理性肯定となるか 2.特定の不利益変更(例えば、退職金掛け率の縮小)に付随して賃金引き上げなどの代償措置を伴 う場合、合理性判定はどうか 3.多数派組合同意、代償措置存在が同時に重なると、合理性肯定の度合いは強まると予想されるが、 判例データはどう示すか

Ⅰ 序 Ⅱ 多数派組合同意と合理性判断 Ⅲ 代償措置の存在と合理性判断 Ⅳ 多数派組合同意と代償措置の存在が重なる場合の合理性判断 Ⅴ (第Ⅱ節から第Ⅳ節への補論) Ⅵ 合理性判断に関する考慮要素間の相補性(荒木(2001,pp.263269)への解釈) Ⅶ 結び Appendix1 Appendix2

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