新しき自己の再生 ―『碾臼』における他者の受容と自己教育能力―

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タイトル別名
  • The Rebirth of a New Self: The Heroine's Reception of the Other and Her Self-educational Ability in The Millstone

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説明

『碾臼』とは不義の子を産んだある現代女性の人間的成長の物語である。しかしその内容は不倫や自己放棄といった、道徳的堕落からのヒロインの覚醒ではない。むしろ、ヒロインのロザマンドは性的潔癖さの放棄の故に再生を遂げたと言えよう。肉体的汚れや他者との接触は、彼女の中に宿った本能的な母性愛を蘇らす。母性の顕現とは彼女の学者的思考法の放棄を意味し、もう一度己の半生を内的に生き直す行為を含んでいた。この意味で出産は通過儀礼であり、新しき自己の誕生であった。作者ドラブルがこの小説に込めた、人間の内在的再生能力と自己教育力について考えたい。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050001337562446592
  • NII論文ID
    120003103537
  • NII書誌ID
    AN00181106
  • ISSN
    13404415
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10105/6914
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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