海水ウランを用いた高温ガス炉による持続的で安全なエネルギー供給とその経済性

書誌事項

タイトル別名
  • Sustainable and safe energy supply with seawater uranium fueled HTGR and its economy

抄録

海水ウランを用いた高温ガス炉による持続的で安全なエネルギー供給について検討した。ウラン資源が無尽蔵に存在すれば、安全な高温ガス炉発電による永続的なエネルギー供給が可能である。海水ウランは大量に海水中に存在するため代替候補となりうる。海水ウランは45億トン存在し、7万2千年のエネルギー消費量に相当する。また、海水ウランは海底表面の岩盤に含まれる4.5兆トンのウランと平衡状態にあるため、これらも回収することができる。この量は7200万年の消費に相当する。現状の技術では海水ウランの回収コストはウランの市場価格よりも高価である。しかし、経済的に成立するか否かの判断はウラン回収コストのみではなく発電原価全体でなされるべきである。本研究では、海水ウランを用いた高温ガス炉による商用発電の発電原価について評価した。高温ガス炉は直接ガスタービンによる簡素なシステムにより、海水ウランを用いても高い経済性が期待できる。結果として、海水ウランを用いた高温ガス炉の発電原価は7.28円/kWhであり、在来型ウランを用いた軽水炉の8.80円/kWhよりも安価と評価された。

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