左右房室の疣贅性心内膜炎を認めたホルスタイン種乳牛の1症例

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抄録

3歳6カ月齢のホルスタイン種乳牛が、分娩2カ月後に食欲不振を主訴に受診した。第6病日には肺音粗励と心音混濁が確認され、心内膜炎を疑った。第13病日の血液生化学検査では慢性炎症像が確認され、また心音心電図解析の結果、I音分裂と延長、および二峰性P波がみられた。さらに心臓超音波検査では、僧帽弁の疣贅物と僧帽弁逆流、左心室と左心房の拡張が認められた。第16病日に実施された病理解剖では、僧帽弁に3×2×2cm 大、三尖弁に3×1×1cm大の疣贅物がそれぞれ確認されたほか、腎梗塞および左肩と左膝の関節炎がみられた。細菌学的検索では疣贅物、肺、腎臓、関節からは細菌が分離されず、心内膜炎とその他病変との関係性を解明することができなかった。

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