アドヴォカートゥスとパトロナートゥスについて : シトー会修道院の小教区教会所有の一側面

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  • アドヴォカートゥス ト パトロナートゥス ニ ツイテ シトーカイ シュウドウイン ノ ショウキョウク キョウカイ ショユウ ノ イチ ソクメン

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抄録

修道院の所有物であった教区教会に関する13世紀の史料は,修道院のパトロナート権を明確に修道院のアドヴォカートゥス権から区別していたとされる.この区別には,歴史的なアドヴォカートゥスの変遷が絡んでいる.シトー会修道院の研究では,フランスの領域の修道院にはアヴォエ(Avoué)は存在しないとして,パトロナージュの問題がしばしば議論され,他方ドイツの修道院ではフォークト(Vogt)問題が盛んに議論されて,教会所有の問題はその中心テーマとなった.しかし,私有教会の研究においては,地域差はあるものの,それらがアドヴォカートゥスから発したものであることを示している. 本稿では土地と教会所有の関係を改めて探ることを目的として,現在のベルギーに設立されたオルヴァル修道院とドイツ西部に設立されたヒンメロート修道院を取り上げ,これらの点を検証した.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 60 (1), 73-87, 2010-09-20

    立正大学経済学会

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