スキャンダル・イン・ザ・フレーム : 機械を笑う道化

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タイトル別名
  • Scandal in the Frame : A Harlequin Laughing Away Machines
  • スキャンダル ・ イン ・ ザ ・ フレーム : キカイ オ ワラウ ドウケ

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抄録

20世紀の転換期、産業の近代化、資本主義的経済構造はアメリカの主要都市の風景をドラスティックに変容させる。騒音、広告を張り巡らされた摩天楼、路面電車と悲惨な事故、そして急増する移民や貧困層とそれに伴い急増する犯罪は、センセーショナルに都市の人々の注意と関心を掻き立てる。そういったなか、行政は公園を利用して労働者の余暇を枠付け、混沌とした社会に秩序をもたらそうとする。その一環として、20世紀初頭に続々と登場した、アミューズメントパークも挙げられる。そこに登場するジェットコースターなどの新しい機械文明の玩具は、同様に近代化された人々の機械的身体に安らぎと刺戟を与え、そしてそれが子供たちを魅了し引き継がれる時、それは一つの教育的、政治的権力をまとったイデオロギー的装置として彼らの人生を方向付ける。その時代、古来政治権力の転倒を演じ、民衆に新たなユートピアを幻視させたコメディは、どのようにしてこの近代の機械的、教育的装置に戦いを挑むのだろうか。チャップリンの『ヴェニスの子供自動車競争』(1914)におけるテーマパークとカメラを覗き込むチャップリンの芸術的、脱構築的視線の意義を考察する。

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