ブックデザインにおけるプリプレスからポストプレスまでの再考と実践
抄録
本研究はコンピュータのみで完結するデザインプロセスを見直し、現在のさまざまなデジタル技術と、人の手作業の関係性を探ることで、ブックデザインの新たな魅力に迫ることを目指した。素材としての紙の考察や、文字や図版などの要素がページに定着される印刷の手法、そしてそれらを束ねる造本に至るまで、ひとつひとつを思考し実践した。 2015年に東京で開催された、壺井栄の作品を題材としたブックデザインの企画展に参加したことを契機に、本の制作だけでなく、文学と人を地域で繋ぐことを考え始めた。2016年には小豆島でも、内容を更新した展示を実施。観光客だけでなく、壺井作品を読んだことがない地元の若者にも、本研究の成果物を通して、作家や作品の魅力に触れてもらい、小豆島を描いた文学作品を、後世に繋げていく機会を設けた。 東京・小豆島での展示を経て、2017年には神戸で展示を開催。これまでに出展者が取り組んだ「今つくる、本の形」を振り返り、その制作プロセスなどを公開した。さまざまなデザインの試行を見てもらうと同時に、地域編集の実践に触れてもらうことを目指した。さらに会期中には神戸の古書店5店舗に協力を依頼し、展示会場と書店を回遊してもらうことで、神戸の街と人と本を結ぶ企画に取り組んだ。
収録刊行物
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- 芸術工学2017
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芸術工学2017 2017-11-25
神戸芸術工科大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001337615261184
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- NII論文ID
- 120006366034
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles