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タイトル別名
  • Studies on κ-Casein of Bovine Milk II : Heterogeneity of κ-casein (Agricultural Chemistry)
  • フキンイツセイ
  • 牛乳のκ- カゼインに関する研究 II : 不均一性(農芸化学部門)

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抄録

3ないし4種類の方法で調製したκ-カゼインの不均一性を各種のゾーン電気泳動, DEAEセルロースクロマトグラフィー, セファロースゲルろ過, それに焦点電気泳動によって調べた。その結果, 調製法のいかんによらず全てのκ-カゼインの不均一性は高く, その不均一性は少なくとも2つの要因, すなわち分子の大きさと分子の電荷の不均一性に帰せられることが判明した。また, DEAEセカロースクロマトグラフィーの結果, κ-カゼインは少なくとも2成分に分画され, そのうちの1成分はパラκ-カゼイン様成分であった。この成分の存在は通常の電気泳動では認定し難く, 単なる不純物というよりはκ-カゼイン複合体の1成分と推定される。したがって, κ-カゼインの不均一性をもたらす具体的な原因としてランダムS-S結合以外にパラκ-カゼイン様成分の存在も挙げられよう。また, 尿素・硫酸法で調製したκ-カゼインが最も不均一性が低く, しかも分子が大きいこと, カルシュウム・エタノール法によるκ-カゼインはいくらか小さいユニットに解離しており, パラκ-カゼイン様成分を最も容易に遊離させることが判明した。

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