樹液流を利用した材の染色と寸法安定化処理(林学部門)

書誌事項

タイトル別名
  • 樹液流を利用した材の染色と寸法安定化処理
  • ジュエキリュウ オ リヨウシタ ザイ ノ センショク ト スンポウ アンテイカ
  • Dyeing and dimentional stabilization of xylem utilizing the sap flow of freshly-felled trees(Forestry)

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抄録

未利用樹の有効利用をはかる一つの方法として, 立木注入法による材の染色ならびに寸法安定性の付与について検討し, 樹高方向の染色程度, 横断面の染色模様, 抗収縮能, ならびにこれらの樹種, 染料による差異を調べた。染料水溶液の吸液量は, 染料の種類によって異なる。供試4染料によるその順位はスギ材について, マラカイトグリーン>メチレンブルー>酸性フクシン》ニグロシンで, マラカイトグリーンの場合には17日間で96l吸液した。染料による吸液量の大きさの順位と材の等しい高さにおける染色程度の順位はニグロシンを除き一致せず, 染色程度は酸性フクシンで最大であった。木口染色面積割合は, 環孔材グループの樹種に比べ散孔材グループの樹種で大きく, 高さ2m位置において散孔材は横断面の平均約70%を染色しているが環孔材は約33%であった。染色材横断面の染色模様は広葉樹の場合, 樹種によってFig.4に示しているように特徴的なものとなる。スギ材は高さ2.8mまで抗収縮能約66%を示し, 割れなしに円盤を乾燥できるが, 広葉樹材は乾燥中に割れが発生し, 処理効果は十分でなかった。

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