2050 年までの世界のエネルギー需給見通しと低炭素社会実現に向けた課題

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  • 2050ネン マデ ノ セカイ ノ エネルギー ジュキュウ ミトオシ ト テイタンソ シャカイ ジツゲン ニ ムケタ カダイ

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抄録

本稿では,世界を30 の国・地域に分割し,計量経済型モデルを用いて2050 年までのエネルギー需給見通しを試算した。各国が今後特段のCO2 削減対策を講じない「レファレンスケース」では,今後2050 年までの間に世界の一次エネルギー消費は1.8 倍に,エネルギー起源CO2 排出量は1.7 倍に増大する。これは地球環境問題の面からも,また各国のエネルギーセキュリティや資源開発の面からも持続的なシナリオではないと考えられる。これに対して,世界各国が今後最大限のエネルギー・環境政策を実施し,また革新的技術の開発・導入が加速すると想定した「技術進展ケース」では,2050 年のCO2 排出量は2005 年比で16%減となる。国際エネルギー機関(IEA)による同様の試算では,2050 年までに2005 年比で世界のCO2 を50%減とするシナリオを描いている。この試算は「CO2 半減」という目標を先に置いて計算したものであり,その前提には非常に楽観的なものが多いが,その結果は筆者らの試算結果と共通する部分も多く,これらを比較することにより今後世界の低炭素化のために,何をすることが必要かを考えることができる。今後もこれらの試算を例としつつ,更に個々の技術や各国・地域の特性等をより詳細に評価することにより,CO2 削減のための方策を更に探って行くことが必要である。

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