悪性腫瘍患者における下肢切断の納得の仕方と看護援助の検討

書誌事項

タイトル別名
  • アクセイ シュヨウ カンジャ ニ オケル カシ セツダン ノ ナットク ノ シカタ ト カンゴ エンジョ ノ ケントウ
  • The Decision-making Pattern and Nursing Care in Limb Amputation Patients with Malignant Tumor

この論文をさがす

抄録

application/pdf

Departmental Bulletin Paper

悪性腫瘍により下肢切断術を受けた患者の手術決意時における納得の仕方を明確にし,看護援助を検討することを目的に,整形外科に通院・入院中の患者7名を村象に面接と参加観察を行い,以下の結論を得た。1.納得の仕方はgainとIossのバランスとその決め方から以下の4つのタイプに分類された。1)lossもgainとして考え,gainのみとした納得2)lossはあるが,lossを克服してgainを優先させた納得3)lossについて悩んだが,あきらめがついてgainを優先させた納得4)lossへのこだわりが消えないまま不本意ながらもgainを優先させた納得2.タイプ1)2)の患者に対しては,術前の早い時期から手術後の経過・日常生活・義足・リハビリ等についての患者が必要とする情報を積極的に提供する援助が必要である。3.タイプ3)の患者に対しては,感情を表出できる環境を作り,積極的な情報提供はせず,lossについてあきらめる過程を見守る援助が必要である。4.タイプ4)の患者に対しては,感情を表出できる環境を作り,患者にとって何がlossになるのかを明確にした上で,lossを克服するのに必要な情報を提供し,患者が新たな価値観を構築するのを見守る援助が必要である。5.4つのタイプに共通して,同七境遇にある他の患者の存在が非常に大きいため,個々の患者の心理的適応段階に合わせ,お互いの情報交換の場を術前・術後に提供することが大切である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ