出生前診断の是非をめぐる保育科学生の意識:命を守る保育者役割を動機づける「子どもの保健」先天性異常の学習より

書誌事項

タイトル別名
  • Consciousness of childcare science students over the pros and cons of prenatal diagnosis:Children’s health to motivate children's role to protect their lives “Learning from congenital anomalies”

抄録

本論文では、「子どもの保健」における遺伝病・先天異常の授業で取りあげた新出生前検査の是非を通して、保育科学生の命に対する意識の傾向を知り、命を守る保育者役割の動機づけに出生前診断を学習することが有効かについて考えたものである。 短期大学保育科に所属する1年生157名(女性154名、男性3名)を対象に「子どもの保健(予防と疾病)」の2回の授業の中でNHKハートネットTVシリーズ選ばれる命の第1回と第2回を視聴し、新出生前検査に賛成か反対かとその理由等を自由に述べる課題を与えた。 現在のシステムでは課題も多いことを理解しながらも学生は検査に期待し、賛成するものがほとんどであった。賛成の学生は出生前検査を受けることで様々な準備ができると発想し、早く知って対応すると障害を持った子どもに対する殺人や虐待が減ると考えることがわかった。そして、相談やカウンセリングのシステムの充実や障害者支援の必要性も強く感じていた。反対意見では人工妊娠中絶が増えることを問題視していた。 また、初回に、出生前検査をテーマに命を考えることは、学生にとっても結婚・出産は関心事であるため、命を守る保育者役割の動機づけとして、有効な方法と考える。

収録刊行物

  • 柳城こども学研究

    柳城こども学研究 (2), 31-45, 2018-09-30

    名古屋柳城短期大学幼児教育・保育研究会

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