『徒然草絵抄』の注釈態度
書誌事項
- タイトル別名
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- The Method of Tsurezuregusa-esho as a Commentary
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抄録
本稿は、近世に出版された徒然草の注釈書の中から、『徒然草絵抄』(元禄四年刊)に焦点を当て、その注釈態度を解明する。『徒然草絵抄』に注目するのは、数ある徒然草注釈書の中で、その注釈態度の独自性が際立つからである。 江戸時代の徒然草注釈書は、語釈や文脈を詳しく解説することによって、徒然草の内容を解明しようとしてきた。また、江戸時代には、注釈書ではなく、徒然草の原文自体を主体として、そこに挿絵を入れた「絵入り徒然草」も各種出版された。このような「注釈書」と「絵入り本」の、双方の特色を取り入れたのが、『徒然草絵抄』である。 『徒然草絵抄』においては、徒然草全体の九割にのぼる章段に、絵が付いている。それらの多数の絵は、先行する徒然草注釈書の蓄積や達成とどのように関連するのか、そして、当時の人々に徒然草の内容を、どのように伝えようとしたのか。『徒然草絵抄』による「注釈の絵画化」という新局面を、近世の徒然草注釈史の中で位置づけるとともに、「絵画化された徒然草」の世界の広がりに、目を向けてみた。
収録刊行物
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- 放送大学研究年報
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放送大学研究年報 33 158(1)-145(14), 2016-03-25
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001337749796480
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- NII論文ID
- 120006531766
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- NII書誌ID
- AN10019636
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- ISSN
- 09114505
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles