高校生の性問題行動に対する教員の認識に関する一考察

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タイトル別名
  • A consideration of teacher's cognition against sexual behavior problem of high school students

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抄録

type:Article

生徒の性問題行動は、学校危機のーっとして認識されるようになり、学校での適切な介 入が必要な事態である。問題のある性行動は健全な性行動と区別され、適切な評価と対応が求められるが、学校における性問題行動への取り組みはまだ進んでいない実情がある。そこで、本研究では、高校の教員を対象とした質問紙調査を実施し、生徒の性問題行動に対する教員の関与の経験と、対応に対する意識を訊ねた。高校生の性問題行動にはどのようなものがあるのかを明らかにし、性問題行動についての指導や支援に対する意識を把握することで、学校のニーズや準備性について検討することが目的である。結果、男性教員31名、女性教員33名、計64名の回答を分析した。教員が関与した男子生徒の性問題行動として多く挙げられていたのは、「性情報等への強い関心やこだわり」と「性的問題行動(接触有)」、そして「交際相手への暴力」であった。女子生徒の場合は、「計画外の妊娠」への対応がもっとも多く、性暴力被害やデートDV被害も約半数の教員が認識していた。自由記述からは、教員の多くは生徒の性問題行動への指導に困難さを感じながらも、学校全体で取り組んでいくことに対して積極的な姿勢をもっていることが示された。今後、性問題行動の指導に対する教員と学校組織の準備性を高め、体系化された包括的な性教育や生徒指導を進めていく必要があると考えられた。

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