フランスにおける市場金融の発展と金融危機

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  • フランス ニ オケル シジョウ キンユウ ノ ハッテン ト キンユウ キキ
  • Le Developpement du Financement de Marche et la Crise Financiere en France

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本論文は,1980年代半ば以降のフランスにおいて政府主導の下に進められた金融の自由化が,市場金融を著しく発展させた過程,並びに,その結果として生じた諸現象を分析する。それにより,金融・資本市場の発達に伴う証券取引の飛躍,全ての経済機関による市場金融の推進,直接金融の進展に伴う金融仲介比率の低下と株式ブームの到来,資本自由化の促進による対外直接投資の著増と新たな国際収支問題の発生,そして1987年10月の証券相場の崩落から生れた金融危機,等の諸点がフランスに即して析出される。同時に,フランスでとりわけはっきりと現れた金融危機は,非常に急速な金融自由化の展開,並びにヨーロッパ通貨システムの建設に向けた積極的な動き,に基づくものであった点が明らかにされる。

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