日本の核家族世帯における世帯員の家計上の役割分担とライフステージ

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タイトル別名
  • ニホン ノ カクカゾク セタイ ニ オケル セタイイン ノ カケイジョウ ノ ヤクワリ ブンタン ト ライフステージ
  • Household members' income and lifestages in Japanese households

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抄録

日本の家計収入について,世帯員の貢献の状況に関する研究蓄積は多くない。家計収入の分担の状況は,家事・育児の分担と密接な関係があり,日本の子育ての負担がどのように夫妻に分担されているかを知る上で重要な鍵のひとつである。本稿は,子育て世帯の家計収入における夫妻の役割分担とその変化を検討することを目的とする。使用したデータは,総務省の全国消費実態調査のうち1989年,1994年,1999年,2004年の匿名データである。

核家族世帯では,ライフステージによらず。妻の家計上の役割分担が増大する傾向がみられる。1989年から2004年の期間中,家計を8割から9割支えている夫の収入が低下する状況があった中で,育児に時間のかかる年少児の育児期に,育児負担に加えて妻の家計上の役割分担が増大することによる負担増と,成年の子どもの家計への貢献の低下による子育て費用負担の長期化は,日本の世帯にとって子育てのコストが増大していることを示唆するといえる。

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