書誌事項
- タイトル別名
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- ナカエ チョウミン ノ タイガイ カンケイロン
- Nakae Chomin and the Nation-building of Japan
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説明
中江兆民は1870 年代以降『一年有半』公刊まで,民権論を一貫して堅持した。他方,この時期に中江が対外関係論において「小国主義」から亜細亜雄張の国権拡張論へと「転換」を遂げたのも,紛れのない事実である。民権論における思想的連続性とこの「転換」とはいかにして整合するのか。また「転換」の思想的根拠は何か。本稿ではこのことを,論説「論外交」から『三酔人経綸問答』や『国会論』を経て論説「難儀なる国是」に至るまでの中江兆民の思想に即して考察し,結論的に,1)「小国主義」は「道義」の存在など条件付きで成り立つものであり,それが崩れた段階で顕在的な国権拡張論へと「転換」したこと,2)「転換」の思想的根拠は,自由民権論の基礎をなす近代思想の原理—各個人の自然権と自然法の支配—のダブル・スタンダード(「文明と野蛮」図式)のトータルな受容(それゆえ民権論は失われない)とスペンサー社会進化論影響下での変質にあったこと,などを主張した。
収録刊行物
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- 経済系 : 関東学院大学経済学会研究論集
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経済系 : 関東学院大学経済学会研究論集 259 1-26, 2014-04
関東学院大学経済研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001337811327104
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- NII論文ID
- 120006025916
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- NII書誌ID
- AN00302437
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- ISSN
- 02870924
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- NDL書誌ID
- 025524130
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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