大学の情報開示と統合報告 : 大学における統合報告モデル試案

書誌事項

タイトル別名
  • ダイガク ノ ジョウホウ カイジ ト トウゴウ ホウコク : ダイガク ニオケル トウゴウ ホウコク モデル シアン
  • The Disclosure in University and Integrated Reporting : A Tentative IR Model in University

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説明

1990 年代の初めの大学設置基準の大綱化によって,高等教育の多様化が促進された。1990年代終わりに,大学が社会に対して大学情報を積極的に提供することが求められた。大学情報の提供は認証評価制度の実施と表裏一体の関係にあり,それはPDCA を通じた教育の質保証につながっていた。このような関係を前提に情報開示のための法整備が進められたことが本論文でまず明らかにされる。法定開示書類の一つである事業報告書は財務経営情報と,主として教育研究情報から成る非財務情報を一体的に開示できる媒体である。このため,それは財務情報の補助的説明資料なのか,あるいは大学全体の総括的説明資料として位置づけられうるのかについて検討し,後者のような位置づけで事業報告書が普及していることが明らかにされる。しかし,事業報告書は法定開示書類の一つであるが故の画一性や規格性を帯びることになり,このため情報利用者に対する有用性に限界が生ずる。これを克服する手段として,企業の自主的開示の一手段として急速に普及しつつある統合報告の考え方を,大学の情報開示に導入することの意義を明らかにし,大学における一つの統合報告モデル試案を提示した。

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