紙糸使用テキスタイルの交織による性能改善の試み

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Other Title
  • シシ シヨウ テキスタイル ノ マゼオリ ニ ヨル セイノウ カイゼン ノ ココロミ
  • A Trial in the Performance of a Paper Yarn Textile and a Cowoven Yarn Textile
  • カミイト シヨウ テキスタイル ノ コウショク ニ ヨル セイノウ カイゼン ノ ココロミ

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石油資源の枯渇から、繊維市場は「天然素材志向」が強まり、近年、植物由来繊維が注目されている。そこで、和紙を材料とした紙糸を研究の対象とした。紙糸を使って自作した和紙布及びポリエステルまたは毛と交織した2 種の交織布を製作し、これら3 種の紙糸使用テキスタイルの性能を明らかにし、交織の効果を検討した。また衣料用テキスタイルとしての有用性の検証をデニムを比較布として行った。和紙布は引張り・せん断・曲げ試験の結果、変形しにくく、その変形の回復も小さかった。また破裂強度が小さく、硬く、ハリがあるため垂れ下がりにくく、しわになりやすいとわかった。一方、交織布は和紙布よりも引張り、せん断しやすく、曲げやすかった。軟らかく、伸びが大きい繊維であるポリエステルや毛との交織により、変形しにくい和紙布の欠点を補えたといえる。市販のデニムと比較すると和紙布はデニムより硬いものの、引張りやせん断の変形はしやすかった。以上より和紙の持つ吸湿性などの利点を生かしながら、欠点を補うと考えられる性質を持つ他の繊維糸と交織することは有効であり、紙糸を使用した衣料用テキスタイルの性能改善の可能性を見出すことができた。

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