国際資本移動と失業率格差 : 失業率収斂条件の理論分析

書誌事項

タイトル別名
  • コクサイ シホン イドウ ト シツギョウリツ カクサ : シツギョウリツ シュウレン ジョウケン ノ リロン ブンセキ
  • International Capital Flows and Convergence of Unemployment Rates across Nations : A Theoretical Analysys

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説明

本論文はSolow(1956)による新古典派成長モデルとShapiro and Stiglitz(1984)型効率賃金制約を統合した二国経済モデルを提示し、二国間の失業率の差が失業給付率と貯蓄率(割引因子)の差によって生じることを明らかにする。その上で、失業率格差が(i)失業給付率の差のみによって生じている場合、(ii)貯蓄率の差のみによって生じている場合、の二つの代表的ケースについて、経済統合(資本自由化)の各国失業率に与える影響を分析する。モデル分析の結果、上記ケース(i)では経済統合の前後で両国の失業率(およびその格差)が変化しない一方、ケース(ii)では、資本・労働間の代替の弾力性が1より小さければ失業率の収斂が発生することが明らかになる。これら結果の政治経済学的含意(経済統合への労働者の反発度と要素間代替可能性との関係など)についても合わせて考察する。

収録刊行物

  • 経済論集

    経済論集 104 85-110, 2015-09-30

    東京 : 大東文化大学経済学会

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