科学技術の革新と資本主義(1) ポパー科学理論の再検討

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  • カガク ギジュツ ノ カクシン ト シホン シュギ(1)ポパー カガク リロン ノ サイケントウ

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抄録

この論文は,科学技術の革新と資本主義との動態的関係に関する一連の研究の 一部をなす.本稿ではカール・ポパーの科学理論について主として研究する. ポパーは,「反証可能(refutable)」であることを科学的研究の規準としたこと でよく知られている.しかし,彼の科学理論は,問題の発見に始まり,仮の理論 の創造へと続き,反証または批判的討論によって誤りを排除するか,もしくは新 しい問題を発見することを選択していく一連の動態的な過程として,より一般的 には,特徴づけられる. この論文では,そのようなポパーの科学理論について検討し,トーマス・クー ンやラカトシュなどによる批判と,ポパーによる反論について検討する.また, ハイエクの「科学主義」に対する批判と,ポパーの応答についても検討する. 最後に,ポパーの科学理論の進化論への発展について検討し,科学技術の革新 について,のちに動態的かつ歴史的に検討するときの参考にする.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 68 (1), 85-114, 2018-07-31

    立正大学経済学会

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