肺癌術後に発症し,鏡視下手術を行った下行結腸癌,AFP産生胃癌の異時性3重複癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Metachronous Triple Cancers, Developing Descending Colon Cancer and alpha-Fetoprotein-Producing Gastric Cancer after Surgery for Lung Cancer That was Treated with Laparoscopic Surgery

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抄録

症例は74歳,男性.肺癌手術の既往があった.2006年1月,下血を主訴に当院受診.下行結腸に高分化型腺癌を認め,術前病期:T3N0M0:StageⅡと診断.同年3月に腹腔鏡下左半結腸切除術・D3郭清を施行.病理診断は,pT3N1M0:StageⅢaであり,術後化学療法を2年間行った.経過中にAFP:20.5ng/mLと軽度上昇を認めたが,再発・転移や肝細胞癌等を示唆する画像所見は認めなかった.2009年11月AFP:101.72ng/mLとさらに上昇し,精査にて胃体下部後壁にⅡc+Ⅱb 様病変を認めた.生検にて,GroupV,AFP免疫染色陽性で,AFP産生胃癌と考えた.術前病期:T2N0M0:StageⅠBの診断で,同年2月に腹腔鏡下幽門側胃切除術・D2郭清・B-Ⅰ再建術を施行.病理診断はpT3N0M0:StageⅡAで治癒切除が得られ,AFPも基準値範囲内となり,外来通院中である.一般にAFP産生胃癌は予後不良とされるが,今回,鏡視下手術を選択し,良好な結果が得られた.またAFP 産生胃癌を含む3重複癌の報告は稀であり文献的考察も加え報告する.

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