周産期心筋症の1例

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抄録

症例は27歳、女性、初産婦。妊娠37週頃より両下腿浮腫、妊娠38週0日には蛋白尿を認めていた。妊娠38週3日に破水し他院へ入院。収縮期血圧180mmHgと高く、妊娠高血圧と診断され、翌日に吸引分娩で出産。産後2日目に37度台の微熱と咳嗽がみられるようになり、夜間の呼吸困難が出現。産後6日目に呼吸困難が増悪し当院救急外来を受診となる。来院時血圧150/103mmHg、心拍数131/分、SpO2 80%(room air)。聴診上、奔馬調律および湿性ラ音を聴取。心電図は洞性頻脈、胸部X線にて心拡大および肺水腫、胸水貯留を認めた。心エコー検査では中等度の左室収縮機能障害を示し、心疾患の既往はなかったため、発症経過から周産期心筋症と診断した。うっ血性心不全に対して血管拡張剤、利尿剤による治療を行ない、心不全は軽快し、徐々に心機能の改善を認めた。周産期心筋症の治療、予後について文献的考察を交えて報告する。(著者抄録)

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