Study of factors associated with development of neurological disease on virus-induced central nervous system damage

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  • ウイルス性神経障害における発症関連因子の研究
  • ウイルスセイ シンケイ ショウガイ ニ オケル ハッショウ カンレン インシ ノ ケンキュウ

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ボルナ病ウイルス(borna disease virus;BDV)は,馬や羊に髄膜炎あるいは脳脊髄炎をおこし,神経疾患や時に致死的な経過を引き起こすボルナ病の原因ウイルスである。ところが,ラットにおいて高病原性であるCRNP5株は,免疫応答の未熟な新生仔ラットに感染させると脳炎は認められないものの重篤なボルナ病を発症する。従って,CRNP5株は免疫応答非依存的に感染ラットを発症させること,すなわち直接的/間接的な中枢神経障害がある可能性が示唆されていた。そこで,本研究では,ボルナ病発症における宿主の免疫応答の必要性について調べるために,T細胞機能欠如ラット(ヌードラット)における病原性を解析した。4週令のヌードラットにCRNP5株とCRP3株を感染したところ,CRNP5株感染群は全頭重篤なボルナ病を発症したが,CRP3株感染ラットは7週間の観察期間中に発症は認められなかった。CRNP5株感染ラットでは,海馬の神経細胞層が消失し,特に錐体細胞層における神経細胞変性が顕著だった。以上の結果から,CRP3株はT細胞性免疫応答介在性にボルナ病を発症すること,一方,CRNP5株は発症には宿主のT細胞性免疫は必要としていないことが強く示唆された。

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