中小都市における都市気温の構造変化に関する研究 ―36観測所1891‐2004の114年間データに基づいて(2)―

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タイトル別名
  • A Study on Structural Changes of Urban Air Temperature in Small snd Mediu-sized Cities - On the Basis of Data at 36 Observatories for 114 Years of 1891-2004 (2) -
  • チュウ ショウトシ ニ オケル トシ キオン ノ コウゾウ ヘンカ ニ カンスル ケンキュウ : 36 カンソクジョ 1891-2004 ノ 114ネンカン データ ニ モトズイテ(2)

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抄録

わが国において蓄積されている100年以上の超長期的気温データを対象に、Chow Test等の統計分析を通して、わが国における都市温暖化現象を表現することが本研究の目的である。対象データは1891年から2004年までの114年間の日平均気温で、対象観測所は36箇所である。主な結論は、次のとおりである。第1に、対象とした観測所すべての気温変動は、極めて高い確度で、1本の回帰直線よりも2本の回帰直線で表現する方が妥当と判定された。第2に、気候区分が同じ観測所での比較検討により、観測所が所在する都市規模(行政区域人口)が大きいほど温暖化現象が著しいことが明らかとなった。第3に、対象観測所36箇所の気温上昇を5タイプに分類し特徴を記した。特に、1980年代末に気温の上方ジャンプをみせたタイプ以外では、大都市や中規模都市では対象期間の第2期つまり後半になって急激に気温上昇したことが判明した。これらにより、日本における都市部の温暖化現象は、地理的・気候的要因の規程を受けるものの、都市化現象の要因の影響が少なくないものと推測された。

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