海外現地生産の拡大と企業内訓練校のグローバル化 ―自動車部品メーカーP社高等技能学園に関する事例研究―

書誌事項

タイトル別名
  • Human Resource Development of Corporate Vocational Training Schools Contributing to the Expansion of Local Production
  • カイガイ ゲンチ セイサン ノ カクダイ ト キギョウナイ クンレンコウ ノ グローバルカ : ジドウシャ ブヒン メーカー Pシャ コウトウ ギノウ ガクエン ニ カンスル ジレイ ケンキュウ

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抄録

本稿では国内工場に中核層(現場監督者など)を供給してきた企業内訓練校が,近年,徐々に人材育成をグローバル化させていることに注目した。研究対象として取りあげた自動車部品メーカーP社P学園をはじめ,大手自動車関連企業では,海外現地生産を支えるために積極的に訓練校を活用する事例が出てきている。日本国内の訓練校に現地人従業員を受け入れて訓練したり,海外現地に訓練校を設立するなどの動きが見られる。しかし先行研究はこの問題を十分に分析していない。 そこで本稿では,訓練校グローバル化の取り組みについて類型化を行ったうえで,P学園の取り組み実態の事例研究を行った。その場合,海外現地工場の発展プロセスと関連付ける分析視角から事例を分析した。分析結果は以下の通りである。 P学園は,選抜された一部の若手日本人・現地人従業員に対して,ものづくりの基礎的な知識・技能を習得させ,またそのコミュニケーション能力やリーダーシップを向上させ,さらには異文化での協働・相互学習の経験を積ませることで,従来のように国内工場の監督者としてだけでなく,現地工場の立ち上げ人材(日本人)や現地工場の監督者(現地人)として活躍出来る人材を育成しており,そのことで海外現地生産を支える存在になっている。また近年では,そうした仕組みの現地化を進め,現地での自立的な中核層育成を進めようとしている。

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