分散型台帳技術の応用に向けて─中央銀行の決済システムからみた特徴と課題─
書誌事項
- タイトル別名
-
- 招待論文
この論文をさがす
抄録
本稿は,日本銀行が欧州中央銀行と共同で進めている分散型台帳技術の応用可能性に関する調査(プロジェクト・ステラ)の概要を取りまとめたものである.このプロジェクトでは,中央銀行が提供する決済サービスについて,分散型台帳技術を使って再現することができるかを中心に検討を行った.この結果,資金取引を1件ごとにただちに振り替える仕組み(即時グロス決済)のほか,取引の決済にあたって必要となる資金を効率的に利用する機能(流動性節約機能)や,資金と証券を同時に決済する機能を再現できることが確認された.一方,分散型台帳技術を巡っては,実務・技術面からみて,ガバナンスを取り巻く論点のほか,金融取引の秘匿性(プライバシー)の確保や,支払完了性(ファイナリティ)の扱いといった課題も残されている.今後は,民間金融機関やIT企業とも連携しながら,これらの課題の解決に向けた議論を深めていくことが望まれる.
収録刊行物
-
- デジタルプラクティス
-
デジタルプラクティス 10 (3), 457-479, 2019-07-15
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050001338388009088
-
- NII論文ID
- 170000150401
-
- NII書誌ID
- AA1245124X
-
- ISSN
- 21884390
-
- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00197905/
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- article
-
- データソース種別
-
- IRDB
- CiNii Articles