高機能広汎性発達障害児・者の母親の障害認識過程に関する質的検討

書誌事項

タイトル別名
  • コウキノウ コウハンセイ ハッタツ ショウガイジ シャ ノ ハハオヤ ノ ショウガイ ニンシキ カテイ ニ カンスル シツテキ ケントウ
  • A qualitative research of mothers in recognition that their child has a high-functioning pervasive developmental disorder

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抄録

type:Article

本研究の目的は高機能広汎性発達障害(以下、HFPDD)児・者の母親の障害認識とその過程で生じる心理的葛藤を検討し、母親に困難をもたらす要因について検討することであった。HFPDD児・者の母親19名に対して半構造化面接を行い、子どもが乳幼児期から現在までの子どもや障害に対する認識と感情について回顧的な語りを得た。修正版グラウンテッド・セオリー・アプローチによる質的検討の結果、HFPDD児・者をもつ母親の障害認識過程の仮説モデルが生成された。HFPDD児・者の母親は診断告知前に子どもに対する不安と打ち消しを繰り返し体験し、診断告知以後も障害の受け入れと受け止めきれなさを繰り返し体験していた。仮説モデルに基づき、HFPDD児・者の母親に困難をもたらす要因として、1障害の発見の遅れとサポートの乏しさ、2障害認識の困難さと葛藤、3母親の障害認識と社会の認識とのギャップの3点が考えられた。

収録刊行物

  • 家庭教育研究所紀要

    家庭教育研究所紀要 32 61-73, 2010-12

    小平記念日立教育振興財団日立家庭教育研究所

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