大人と子どものあいだで生じる秩序の揺らぎ:家庭内における野生性

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奈良女子大学心理臨床研究 第3号 第1部 研究論文

子育てをしている母親たちが、しつけや子どもとの関わりの中で感じる虐待への不安はどこから生じるのであろうか。家庭内 domesticという語がもっている「内側の人間にとって都合のよいように野性の生き物を飼い馴らしていく」という意味に着目し、大人と子どもの関係を見つめなおすことによって、何かの役に立つという有用性の原理のもとで、子育ても目的-手段関係に陥っている可能性が示唆された。その秩序の網を破るものとして、子どもの野性性や「汚いもの」への親和性を検討し、身体感覚をともなった体験が実在感をもたらしていることについて考察を深めた。こうした視点から、プレイセラピーという心理臨床の場における子どもと大人(セラピスト)との関係のあり方も問い直した。

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