おんぶと抱っこの変容 : 身体技法に関する人類学的研究にむけて

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タイトル別名
  • Changes in styles of carrying a person in one's arms or on one's back : an anthropological study of techniques of the body

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抄録

type:論文

本稿では、おんぶや抱っこという身体を使った育児行為を素材にして、文化によって身体の使い方がいかに作られてきたのか、またその使い方がいかに変化してきたのかを明らかにする。それによって、M・モース以降、人類学で進められてきた身体技法の研究へとつなげてゆきたい。とくに本稿では、近年、おんぶが減少してきたことに注目し、その背景には、母親が農作業などの労働から解放されたことや母親の意識の変化、長時間の抱っこを可能にさせる育児補助具の登場、おんぶを拒絶する生活環境など、諸要因が絡み合っていることを明らかにする。おんぶを例に挙げて、文化の基層に関わるとされる身体技法が、高度経済成長期以降、大きく変容している様子を具体的に示してみたい。

収録刊行物

  • 天理大学学報

    天理大学学報 59 (2), 1-16, 2009-03-01

    天理大学学術研究委員会

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