八旗制度再考(6):軍隊の編制と指揮・管理

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タイトル別名
  • ハッキ セイド サイコウ(6)グンタイ ノ ヘンセイ ト シキ ・ カンリ
  • An Examination of the Eight Banner System of Manchu(VI)

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抄録

type:論文

八旗の軍隊は,各ニルから一定数ずつ徴された甲士を中心として成り,いくつかの兵種に分けられていた。戦時には,これらの甲士の中から各ニル均等に兵を出して,新たな隊を編制した。大規模な戦いに際しては,これらの隊を状況に応じて組み合わせたり,さらに一部の兵を選抜して別の隊を編制したりして,ニルや旗を横断した様々な部隊を作った。こうした臨時編制の隊やそれを合わせた部隊を率いる指揮官は,出征している諸王・大臣の誰が担当しても不思議はなかった。このような編制においても混乱なく戦えるよう,軍規は厳しく,賞罰の基準は周知徹底させられていた。規律に縛られる対象は諸王にも及び,軍を構成する総員が厳しい中央統制の下で戦うことを強いられた。こうした体制は,限られた兵力を効率的に動かす上で有効であった。

収録刊行物

  • 天理大学学報

    天理大学学報 63 (2), 57-86, 2012-10-23

    天理大学学術研究委員会

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