「推測」と<否定神学>-クザーヌスの『推測論』を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • 「推測」と〈否定神学〉 : クザーヌスの『推測論』を中心に
  • 「 スイソク 」 ト 〈 ヒテイ シンガク 〉 : クザーヌス ノ 『 スイソクロン 』 オ チュウシン ニ
  • Nicholas Cusa's Idea of Conjectures and the Negative Theology

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抄録

type:論文

ニコラウス・クザーヌスの思想解釈においては,初期の『知ある無知』(Dedocta ignorantia,1440)に続いて執筆された『推測論』(De coniecturis,1442―3)の位置づけが問題となってきた。本稿では,クザーヌス研究者によるこの問題をめぐる見解を踏まえながら,『推測論』における「推測」(coniectura)の概念を,『知ある無知』から継承されたクザーヌス独自の〈否定神学〉的思考の深化あるいは徹底化として捉え直してみたい。こうした解釈は,これまで代表的論客が主張してきた両著作の相違よりも,むしろそこに一定の連続性を見出そうとする解釈である。こうした立場は,クザーヌスの思想展開における〈否定神学〉の位置づけを新たな視点から照射する試みとしての意義を担い得るものと思われる。

収録刊行物

  • 天理大学学報

    天理大学学報 64 (2), 43-57, 2013-04-15

    天理大学学術研究委員会

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