サウダーデとポルトガル人-パスコアイスとモラエスの事例に触れて-

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タイトル別名
  • サウダーデ ト ポルトガルジン : パスコアイス ト モラエス ノ ジレイ ニ フレテ
  • Saudade and the Portuguese-According to Teixeira Pascoaes and Wenceslau de Moraes-

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説明

type:論文

世界のどの民族にも,言語とともに民族精神を表す何らかの言葉がある。ポルトガルには,ポルトガル人たらしめるサウダーデという独特の言葉がある。この言葉は,人がかつて愛情・愛着を抱いた対象が不在(または消失)の場合,過去の記憶を欲求し,想起した時に心の内部に生じる嬉しい,悲しい,懐かしいといったさまざまな感情の総体である。歴史上の文献としてこの言葉は,13世紀の叙情詩に古形として現れ,大航海時代の間の15世紀中に現在の形となり,以後今日に至るまで,特に詩や散文にそうした感情がサウダーデとして語り継がれている。それゆえ,サウダーデはポルトガル人の民族感情を表現する言葉と言えよう。

収録刊行物

  • 天理大学学報

    天理大学学報 65 (1), 11-26, 2013-10

    天理大学学術研究委員会

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