三次元文法の妥当性について

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タイトル別名
  • サンジゲン ブンポウ ノ ダトウセイ ニ ツイテ
  • On the Adequacy of Three−dimensional Grammar

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抄録

type:論文

本稿の目的は,「原理とパラミター理論」に依拠し,三次元文法の妥当性について考察することである。その考察の概略は,以下の(i)~(iv)である。 (i)等位構文およびそれに関する記述が生成文法理論の中でどのように扱われるべきかについて論じる。その結果,等位構文に関する言語事実をより適切に説明するためには三次元文法が必要になることを本稿で改めて示す。 (ii)普遍的三次元文法のパラミターの値を定めることで得られる個別的三次元文法は,現代英語の等位構文以外の構文についての共時的言語事実,英語のさまざまな構文の通時的言語事実,および英語を含めたさまざまな言語の言語類型論的事実を合理的に説明でき,記述的妥当性(descriptive adequacy)をある程度満たした文法であるということと,三次元文法機構を仮定する普遍文法(universal grammar)としての「原理とパラミター理論」が説明的妥当性(explanatory adequacy)を追求しうる理論であるということを論じる。 (iii)以上の考察によって,三次元文法がどのようなものであり,岩田(1998a)以降,三次元文法がその妥当性に関してどの程度発展したかを整理して示す。 (iv)三次元文法にとって依然として今後の課題として残る問題を指摘する。

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