膝関節痛のある高齢者への温罨法による疼痛緩和の効果

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of warming on knee pain among the elderly
  • シツカンセツツウ ノ アル コウレイシャ エ ノ オン アンポウ ニ ヨル トウツウ カンワ ノ コウカ

この論文をさがす

説明

本研究の目的は、膝関節に疼痛を自覚する高齢者に蒸気温熱シートによる温罨法を行い、膝関節痛緩和の有効性を検討することである。膝に痛みを自覚しながら 自立した日常生活を送る65歳以上の高齢者を対象に、温熱シートを1日平均8時間、膝関節に7日間継続的に貼用し、膝関節の疼痛の変化を日本版膝関節症機 能評価尺度(JKOM)の使用により測定した。被験者は12名で平均年齢78.6±7.4歳であった。膝の痛み(VAS)の変化は非罨法期 5.50±2.24、罨法期3.71±2.01と、有意な低下(p<0.01)が示された。JKOMの下位4領域のうち、『膝の痛みやこわばり』、 『日常生活の状態』、『ふだんの活動』の下位3領域で有意な低下が示され、『健康状態について』は変化が示されなかった。以上の結果から、蒸気温熱シート による湿熱加温は膝関節痛の緩和に有効であり、高齢者のADLおよびIADLの向上につながることが示唆された。一方、膝関節痛の改善がみられても健康状 態の改善に直結するものではないことも示された。

収録刊行物

  • 紀要

    紀要 5 1-6, 2011-03-31

    名寄市立大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ