労働分配率と所得格差 : インドネシアにおける労働分配率の変化が所得格差に及ぼす影響

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タイトル別名
  • ロウドウ ブンパイリツ ト ショトク カクサ : インドネシア ニオケル ロウドウ ブンパイリツ ノ ヘンカ ガ ショトク カクサ ニ オヨボス エイキョウ
  • Labor Share and Income Distribution : Changes in Labor Share and Their Effects on Income Distribution in Indonesia

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説明

経済発展と労働分配率の関係を分析するため、換点通過以前と転換点通過以降に分けて労働分配率がどのように変化するかを見る。転換点以前の労働分配率は経済発展と共に低下する。理由は、労働生産性は上昇するが、農業において労働過剰が存在するため未熟練労働者の賃金率が生存水準賃金以上に上昇しないためである。転換点以降においては、労働不足となり未熟練労働者の賃金率が平均労働生産性より速く上昇するため、労働分配率は上昇し始める。インドネシアにおいて水稲生産と製造業の労働分配率を計測すると、水稲生産では1980年の約29%から2008年の13%まで低下、製造業では1975年の24%から2008年の18%まで低下した。この労働分配率の低下は労働過剰が原因である。所得格差の要因の一つは労働分配率の低下である。したがって、インドネシアにおいても、労働過剰から不足への転換点を通過し、労働分配率の上昇が始まれば、所得格差を表すジニ係数の改善すると考えられる。

収録刊行物

  • 経済論集

    経済論集 101 33-47, 2014-03-31

    東京 : 大東文化大学経済学会

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