フェルデンクライスメソッドの学生への介入効果の検討 - 唾液アミラーゼとPOMS2を指標としたストレス度評価より -

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タイトル別名
  • フェルデン クライス メソッド ノ ガクセイ エノ カイニュウ コウカ ノ ケントウ ダエキ アミラーゼ ト POMS2 オ シヒョウトシタ ストレスド ヒョウカ ヨリ
  • "Effects of Feldenkrais Method on University Students" - The stress degree measured by saliva amylase and POMS 2nd Edition -

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抄録

type:論文

大学生11名を対象者とし,フェルデンクライスメソッド(以下,FM)の介入効果を検討した.生理的ストレス度指標に唾液アミラーゼ値,心理的ストレス度指標にPOMS2をあて,アンケートも参考にした.実験は,コントロールとして「臥位介入」を取り入れたシングルデザインとし,臥位2回,FM3回,再度の臥位2回の介入を行った.結果,生理的にはFMの初回介入時にのみ有意なストレス度減少が起き,臥位介入時には一度も有意な減少はなかった.また,全体の流れを4時点で分析したところ,FM介入の影響が最も強い時点で有意な減少が認められた.心理的には,FM介入時の3回すべてに,陰性気分感情の有意な減少が認められ,臥位介入時の有意な減少は4回のうち3回にとどまった.これらの結果より,FM介入には,臥位介入より心身のストレス度を減じる有効性があると推測した.実験終了時のアンケート結果により好みと満足度によるグループ分けをしたところ,臥位を好む群や満足度の少ない群は,FMを好む群や満足した群と比較して,スタート時点の心理的ストレス度が高く,そのことからFMを受け入れる精神的な余裕がなかった可能性が見出された.今回の実験結果より,FMはストレス度を減ずる可能性をもつものの,その有効性には個別差があり,その時の心理状態も関係する可能性が判明したことから有効性の高いFM提供には,個人の特性や健康状態への理解が必要であること,また,臥位になることだけでも一時的なストレス度減少には役立つことが確認できた.

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