イチゴ果実を原料とした醸造品の開発に関する研究

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  • イチゴ カジツ オ ゲンリョウ ト シタ ジョウゾウヒン ノ カイハツ ニ カ

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抄録

論文(Article)

【はじめに】本報告は,山形県酒田市農水産課の要請により1985年度より取り組んできた受託研究「イチゴ,メロン等のワイン化に関する試験研究」の一部をまとめたものである.庄内地域におけるイチゴの栽培は,1985年度実績で,作付面積は190haにおよび,収穫高も1,600tを越えている.また,砂丘地域を中心とする酒田市管内における1986年度の出荷量は約1,200tに及び,イチゴは庄内砂丘地域における特産農産物のーっとなっている.なお,生食には適さないキズものや小粒のものなど,そのうちのかなりの部分が加工用としてジャムの製造などに利用されており,ワイン等への醸造加工を始めとした,更に高い付加価値が期待される加工利用法の開発が求められてきた.ワイン等のアルコール飲料の品質を規定する要因としては,酸味,甘味,渋味などの味覚上の特性,更には,香り,色調,アルコール度などをあげることができる.従って,ワイン等の開発に際しては,これらの品質にかかわる諸要因に注目しつつ,(1)原料の特性の把握及びその保存法,(2)原料の一次処理法(破砕のし方,不用部分の除去など),(3)使用酵母及び発酵温度などの発酵条件の選択,更には,(5)オリひき,熟成及び保存条件などの発酵処理後の品質の安定性にかかわる問題など,多くの課題を検討する必要がある.本研究は,上記の諸課題に留意しつつ,イチゴ果実を原料とした醸造品開発の可能性を,ワイン,更にはプランデ一等の蒸留酒に重点を置いて,探ることを目的として取り組まれた.

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