サトイモの水晶症状に関する研究(1) : 水晶症状の発現要因と品種間差異

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  • サトイモ ノ スイショウ ショウジョウ ニ カンスル ケンキュウ 1 スイショ

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説明

サトイモの水晶症状の発生機作を知るために,石川早生,豊後早生,土垂,えぐ芋を用いて検討した。1. 供試4品種とも処理によりヨード・澱粉反応を示さない部分が子いもに現れたが,水晶症状は石川早生に特異的に起こった。水晶症状を呈したいもは澱粉含量が低かった。2. 石川早生に12.5℃と24.5℃の水をかけた結果,両区とも水晶症状がわずかに発生した。水温は発症に関係しなかった。3. 水晶症状は葉身剪除及び葉身剪除+断根処理で激発した。断根処理だけでは無処理と差がなかった。発症は葉身の機械的な損壊が主な原因であり,生育が進んだ段階でその影響は大きくなった。4. 萌芽後の種いもには水晶症状と同様の透明化現象が現れ,澱粉含量も萌芽前より低下した。5. 水晶症状は石川早生の葉身が機械的な損壊を受けたとき,同化物質の生産が衰えたにもかかわらず,子いもが孫いもに養分を転流する結果,貯蔵澱粉を使い果たしたために発生する症状であることが明らかとなった。

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