1980-1985年の沖縄県家畜巡回診療における疾病の推移

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  • 1980 1985ネン ノ オキナワケン カチク ジュンカイ シンリョウ ニ

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抄録

亜熱帯地方の家畜衛生の基礎資料を得る目的で沖縄県家畜巡回診療を行い, 疾病の特徴や推移について検討し, 以下の結果が得られた.1.1980年から1985年の7~8月にかけて, 実質21日間, のべ31名により, 金武町と今帰仁村の牛160頭, 豚277頭の疾病について検討した.2.年度別の疾病数の推移では, 牛豚合計で1983年が117頭と一番多く, 以下1985年110頭, 1980年86頭, 1984年64頭, 1981年60頭の順であった.3.疾病部位別分類では, 牛で泌尿生殖器病が52.5%と最も多く, ついで乳房炎, 運動器病, 消化器病, 外傷と膿瘍, 皮膚病, 呼吸器病, 全身病の順であり, 繁殖障害と蹄疾患が増加する傾向にあった.4.豚の同分類では, 消化器病が60.3%と最も多く, ついで泌尿生殖器病(17.3%), 運動器病, 外傷と膿瘍, 呼吸器病, 全身病の順であり, 消化器病は, 下痢や赤痢およびサルモネラ症が毎年多発した.5.牛の泌尿生殖器病は全頭不妊症であり, 卵巣静止と微弱発情が多かったが, 前者はやや減少の, また逆に後者は増加の推移を示した.6.毎年多発していた豚赤痢は徐々に減少し, 1985年には2頭のみの発生であったが, 下痢症は依然として多発し, 衛生管理の改善が指摘された.

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