水稲の早期栽培における超多収品種の多収要因の解析

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  • スイトウ ノ ソウキ サイバイ ニ オケル チョウ タシュウ ヒンシュ ノ タ

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抄録

超多収品種の多収要因は普通品種と比較することにより解析した結果は以下の通りであった。1. 超多収品種の中で多収であった品種は日印交雑品種で,普通品種に比べて著しく多くの籾数を確保しながら,千粒当り収量や登熟歩合の低下が小さかった。多肥栽培における普通品種の収量水準は60kg/aであったのに対して,超多収品種は70~80kg/aに近い多収となった。しかし,これらの品種はいずれも品質,食味が劣り一般の主食用には適さなかった。2. 超多収品種の中で多収であった品種は穂数が少ないが,一穂籾数が多いことによりm2当り5万粒以上の非常に多くの籾数を確保することができた。3. 超多収品種の中で多収であった品種は稈長が85cm以下と短かく,穂数が450本/m2以下と少ないことにより非常に倒伏しにくかった。4. 多くの籾数を確保できる品種は,精玄米千粒重が普通品種並の19~22gと小さかった。5. 千葉県の早期栽培において,これまでの収量水準60kg/aに対して,70~80kg/aの多収を得るための品種の特性は,稈長が短かく穂数が少ないために多肥栽培を行っても倒伏しにくく,一方では一穂籾数が多いことにより非常に多くの籾数を確保することができ,しかも千粒重が小さかった。

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