千葉県における雨水の水質と雨水成分の耕地への負荷

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  • チバケン ニ オケル ウスイ ノ スイシツ ト ウスイ セイブン ノ コウチ

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雨水に含まれる各種成分の負荷は作物や土壌などの耕地生態系に影響を及ぼすことが考えられる。そこで,千葉県における雨水の水質および雨水からの成分負荷量を把握することを目的として,農業地域3地点(千葉,館山,佐原)における雨水水質調査を,1989年~1995年に実施した。1. 雨水の年平均pHは3地点とも5.40~5.92の範囲にあった。陽イオン濃度はNa+が最も高く,次いでCa2+であった。K+とMg2+は低かった。陰イオン濃度はCl-が最も高く,SO4 2-, NO3 -の順であった。この傾向は3地点とも同様であった。無機態窒素(NH4-NとNO3-Nの和)濃度は佐原が0.43mg L-1,千葉が0.36mg L-1であったのに対して,館山は0.15mg L-1と低かった。2. 雨水のイオンバランスをみると,当量濃度の和は館山が約95μ eq L-1と最も高く,佐原は約75μeq L-1,千葉は約55μeq L-1であった。また,イオン組成にも地点間差が認められた。3. 雨水からの負荷量の最も多い成分は,3地点ともCl-で,次いでNa+,Ca2+であった。一方,負荷量の少なかった成分は千葉と佐原ではK+とMg2+であり,館山ではNH4 +とK+であった。4. 無機態窒素(I-N)負荷量の3地点の平均値は5.27Kg ha-1 year-1で,県土全体には約2740ton year-1,耕地には約770ton year-1のI-Nが負荷していると試算された。

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