太陽熱を利用した畑雑草の防除

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  • タイヨウ ネツ オ リヨウ シタ ハタケ ザッソウ ノ ボウジョ

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説明

除草剤を使わずに雑草を防除するため,火山灰台地畑の秋冬どりニンジン,ダイコン栽培において,夏季に透明フィルムを被覆して地温を上昇させる太陽熱を利用した雑草防除法について検討した。1. 7月上旬から30日間の透明フィルム被覆により,被覆下5cmの最高地温は50℃以上となり,被覆除去後75日目でのメヒシバなどの雑草発生はほとんどなかった。2. 被覆処理により土壌表層0~2cmの雑草種子は発芽せず,雑草の発生はみられなくなるが,被覆処理後に耕耘すると,雑草発生の抑制効果はみられなくなった。3. 被覆資材では,ポリエチレンフィルムと塩化ビニルフィルムを比較した場合,保温性の高い後者が,地温が最も高まり,雑草の発生が少なかった。4. 同一被覆資材では,被覆期間が長いと,最高地温は変わらなくても,高温の積算時間が長くなり,雑草の発生が少なかった。5. 土壌深さ別に雑草の発生を調べた結果から地温と雑草発生の関係をみると,40℃以上の積算時間よりも50℃以上の積算時間が長い方が雑草発生の抑制効果が高かった。雑草種でみると,メヒシバは被覆処理により深さ9~11cmまで発生が少なく,アカザは表層0~2cmで発生が少ないが,それ以下では発生が増加する傾向がみられ,発生を抑制する温度条件はアカザの方がより高温であると考えられた。

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