忍路湾における沿岸水温と栄養塩の関係

書誌事項

タイトル別名
  • オシロワン ニ オケル エンガン スイオン ト エイヨウエン ノ カンケイ

この論文をさがす

抄録

忍路湾内の3地点において,1992年7月から1999年7月までの7年間,約10日に1度の頻度で水温,塩分,クロロフィルa,透明度,硝酸塩+亜硝酸塩濃度,リン酸塩濃度を測定した。このデータから各環境条件の月平均値を求め,季節変化と経年変化,水温と栄養塩濃度の関係について調べた。忍路湾内の水平,鉛直方向の環境要因の差について,塩分および硝酸塩+亜硝酸塩では,湾奥-湾口方向の水平方向の差に比ベ,表層-5m層間の鉛直方向の差が,年平均値で一桁大きいことがわかった。5m層の1月から3月までの冬季平均水温と硝酸塩+亜硝酸塩濃度との間には,負の相関関係が認められ,表層,5m層あわせた回帰直線の傾きは-0.92となった。3月から5月にかけての融雪期において,表層の平均水温と硝酸塩+亜硝酸塩濃度,および表層の平均塩分と硝酸塩+亜硝酸塩濃度に負の相関が認められた。これらのことから,忍路湾においてホソメコンブの現存量変動に関係する水温変動には,栄養塩類の変動も伴っているといえる。

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ