ヨーロッパトウヒ間伐試験地の林分成長と間伐の個体成長・形態に対する影響

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  • ヨーロッパトウヒ カンバツ シケンチ ノ リンブン セイチョウ ト カンバツ ノ コタイ セイチョウ ケイタイ ニ タイスル エイキョウ

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抄録

20年生時(1982)に様々な強度で間伐したヨーロッパトウヒ間伐試験地で,間伐が林分成長と個体の幹材積成長および形態に対して及ぼす効果を検討した。 間伐時に面積0.1haのプロット6つを設定し,それぞれ異なる本数間伐率4.0~78.0%で間伐した。間伐後の林分・個体の成長を調べるため,間伐直前(1982)・間伐4年後(1986)・11年後(1997)に,プロット内のすべての個体の胸高直径を測定した。また,1997年に,サンプル個体15本(3プロット×5本)について,樹幹解析を行い,枝の大きさ,枝のついている高さを測定した。 樹幹解析のデータから得られた胸高直径-個体材積の相対成長関係をプロット間で比較した。間伐直後(1982,1987)の相対成長関係にプロット間の差はなかったが,間伐10年後以降にはプロット間の差が生じており,強度に間伐したプロットで幹の細りが大きくなっていた。強度に間伐をしたプロット内の個体は弱い間伐をしたプロット内の個体に比べ,地上部現存量を枝・葉に対してより多く分配していた。 間伐直後の期間(1982~1986)に,間伐は個体の幹材積成長を顕著に増加させていた。しかし,その後の期間(1986~1997),個体材積成長に対する間伐の促進効果は弱くなった。 極端に強い間伐を施したプロット(超強度間伐区:本数間伐率78.0%)以外のプロットの林分成長は無間伐プロットとほぼ同じであった。林分の胸高直径分布に対する間伐の影響は顕著で,強い間伐をしたプロットで大径個体が生産されていた。

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