1本のカジノキ倒木上から採取されたエノキタケ野生株間の遺伝的差異

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1本のカジノキBroussonetia papyriferaの倒木(胸高直径:約25cm)上の約6.3mの範囲から採取された野生エノキタケFlammulina velutipes12菌株間の遺伝的差異を検討するためにsomatic incompatibility(SI)試験,交配試験およびmtDNAのRFLP分析を行った.SI反応の有無,構成核の交配型およびmtDNAのRFLP表現型による野生のエノキタケ12株のグループ分けは全て一致し,野生株12菌株は4つのグループに類別された.mtDNA表現型の種類数(4)から判断すると,これら野生株は遺伝組成の異なる少なくとも4種類の野生株の子孫に由来すると考えられた.また,同じグループに属した野生株のカジノキ倒木上での分布範囲は約1m以内であり,既報のシイタケやヒラタケの場合と概ね一致していた.

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