圃場区画の大きさ・形状が大型機械の作業能率に及ぼす影響

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  • ホジョウ クカク ノ オオキサ ケイジョウ ガ オオガタ キカイ ノ サギョウ ノウリツ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

圃場の大区画化や技術の進展による生産性向上が経営運営に与える具体的効果を明らかにするには、圃場の区画の大きさ、形状の変化が作業の効率に及ぼす影響を正確に把握することが必要である。本稿では、高性能機械による7作業を対象として、それらの作業能率が圃場の区画の大きさや形状の違いによりどのように変化するのかを、実測調査から圃場作業量をシミュレーションすることで導いた。 1.区画の大きさ・形状の変化では、農道と直交する辺が100mから200mになると圃場作業量は大きく向上するが、200mから300mではその効果はあまり大きくなかった。また、圃場の大きさが100aを越えるとほとんどの作業で圃場作業量の増加程度は5%程度に低下した。さらに、1日の作業時間で行える作業面積を作業単位と捉えると、圃場1区画の大きさは概ね200aが限度と考えられた。これらの結果から、稲作の大型機械化作業に好適な圃場区画の大きさ・形状は農道と直交する辺が200m、平行する辺が50~100mの100~200a区画であると考えられた。 2.圃場の大きさを拡大した時の圃場作業量の増加程度は、乗用管理機など圃場作業量の多い高能率な機械で大きかった。そのため、大区画の効果を充分に発揮するには、高能率な機械を装備した経営体が必要であり、圃場整備事業の計画当初からこれらが装備できる営農主体を育成する検討が重要であると考えられた。

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