不耕起乾田直播栽培を継続した水田における土壌肥沃度および水稲の窒素吸収量

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  • フコウキカンデン ジキマキ サイバイ オ ケイゾク シタ スイデン ニ オケル ドジョウ ヒヨクド オヨビ スイトウ ノ チッソ キュウシュウリョウ

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花崗岩由来の中粗粒灰色低地土の圃場において、稲わらを圃場に全量還元する不耕起乾田直播栽培を1993年から8作継続し、土壌の腐植及び全窒素含有率の経時変化、無窒素栽培における水稲の生育、収量、窒素吸収量、窒素吸収パターンを調査し、耕起移植栽培と比較した。得られた結果は以下のとおりである。 1.不耕起栽培継続田の土壌は、耕起移植栽培田に比べて作上表層に腐植及び全窒素が集積し、著しく増加したが、5作目以降は高水準のままで推移した。作上下層の腐植及び全窒素の含有率は、耕起移植栽培田に比べて少ないが、不耕起栽培の継続による減少は8作目まで認められなかった。 2.不耕起栽培の継続によって作上表層に集積した全窒素含有量は、耕起移植栽培よりa当たり4.5kg多く、これは600kgの稲わら堆肥に相当する量であった。このため、作土全体に含まれる全窒素含有量も、耕起移植田に比べて多かった。このことから、収穫時に地表に落とされた稲わらは、作上表層で堆肥化し、すき込みによって地力増強に貢献するものと考えられた。 3.不耕起栽培では、耕起移植栽培に比べて入水から最高分げつ期までの地力窒素発現量が少なかった。水稲の生育は、分げつ数や穂数が少ないため、収量も劣る傾向であった。

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